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第214話 キスじゃないわ

ผู้เขียน: 雨音休
last update วันที่เผยแพร่: 2026-10-26 06:03:02

 人気SNSサイトZeebにて、ユーザー名『アランクルスの裁縫職人晴恋』はゲームのスキンカードを売っていた。

 Aランク、白銀の騎士団長、45万ヴァル。

 Bランク、レザーで編まれた軽装鎧、20万ヴァル。

 Cランク、カジュアルジャケット&ジーンズ、10万ヴァル。

 スキンは男女兼用だった。

 下着もある。

 Aランク、プリンセスズシークレット、50万ヴァル。

 Bランク、ハッピーバレンタイン、30万ヴァル。

 購入希望者はDMにて、お待ちしております。

 いま、準決勝戦前の休憩だった。長引いた試合がいくつかあり、12時を回っている。

 静岡のログネストで、晴夏はれかは昼食を摂りながらスマホをいじっていた。狭いマットルームである。室内は冷房が効いており、涼しかった。注文したスジコおにぎりと唐揚げ、シーザーサラダをつまみながらスマホをいじる。開いているZeebのマイページには、今日もお客さんからのDMが来ている。お客さんは二人いて、一人目

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  • RMTサバイバー~今日の宿代を稼ぐ俺と、人助けで戦う使い魔~   第214話 キスじゃないわ

     人気SNSサイトZeebにて、ユーザー名『アランクルスの裁縫職人晴恋』はゲームのスキンカードを売っていた。 Aランク、白銀の騎士団長、45万ヴァル。 Bランク、レザーで編まれた軽装鎧、20万ヴァル。 Cランク、カジュアルジャケット&ジーンズ、10万ヴァル。 スキンは男女兼用だった。 下着もある。 Aランク、プリンセスズシークレット、50万ヴァル。 Bランク、ハッピーバレンタイン、30万ヴァル。 購入希望者はDMにて、お待ちしております。 いま、準決勝戦前の休憩だった。長引いた試合がいくつかあり、12時を回っている。 静岡のログネストで、晴夏は昼食を摂りながらスマホをいじっていた。狭いマットルームである。室内は冷房が効いており、涼しかった。注文したスジコおにぎりと唐揚げ、シーザーサラダをつまみながらスマホをいじる。開いているZeebのマイページには、今日もお客さんからのDMが来ている。お客さんは二人いて、一人目はレザーで編まれた軽装鎧、二人目はハッピーバレンタインを欲しいようだ。(くぷぷ、また売れました) 晴夏は文字を打つ。取引の約束と、待ち合わせの時間と場所を尋ねる文章を作って返信した。 二つ合わせて50万ヴァルの売値だ。だけど儲けは50万ヴァルでは無い。裁縫のミニゲームに挑戦するための素材費用が高いせいだった。 それでもかなりの儲けが出ている。 ゲーム内の晴夏のレベルは、この間30を越えた。20レベルから30レベルに上がるためには1200万ヴァルほどかかることが判明した。30レベルになったことにより、超越スキル、ダークナイトを覚えている。この事は、みんなにはまだ秘密にしてある。(くぷぷぷ、もっともっと稼ぎたいです) 以前に撮った、お客さんがスキンを着て笑顔でピースをしている写真があった。その写真をアップロードして、Zeebに投稿する。掲載許可はもらってある。お買い上げ誠にありがとうございます、とコメントを添えた。 今夜もニキと別れた後で、宿屋に行かなければいけな

  • RMTサバイバー~今日の宿代を稼ぐ俺と、人助けで戦う使い魔~   第213話 惚れたメスの前で

    :キャルル丸ぅぅ、頑張れぇぇ!:一生懸命ダイエットしたのに全然やせてないw:馬鹿よく見ろ、腹が縮んでるぞ。ほんのちょっとだけなw キャルル丸の初戦が始まろうとしていた。 いま試合場では、キャルル丸とミリッサが距離を置いてにらみ合っている。(ちくしょう、腹が重くて仕方無い) キャルル丸は顔をしかめた。その腹は大きく膨らんだままだ。まるで妊婦である。ずっと走っていたせいで、キャルル丸の身体は汗だくだった。ちょっと汗臭い。 観客席ではウミとアイギスがフェンスを握って応援していた。ウミの隣にはどうしてかエリザもいる。エリザが「キャルル丸ー、勝ちなさいよー!」と声をかけてくれた。キャルル丸の耳に入るのはエリザの声だけだった。 エリザに向けて手を振る。「きゃるる、きゃるっ」(エリザ、見ていてくれ!) 試合場に風は入ってこない。太陽の日差しがじりじりと照りつけており、ミリッサは困った顔をしていた。どうやらこのウサギは、暑さに弱いようだ。一方キャルル丸は暑さに強い。だけどその事が、試合の命運を分ける訳では無さそうだった。 試合の始まりを待っている客たちが今か今かと足を踏みならしている。 審判長が拡声器を掲げた。「それでは、キャルル丸対ミリッサの試合、開始です!」 ゴングが鳴った。 キャルル丸は獰猛に口を開き、のっしのっしと動いた。走っているつもりだった。だけど身体がなまりのように重い。 ミリッサがニタニタと笑った。「ぷうぷう」(お前は亀よりも遅いね)「きゃるぅ」(何だと?)「ぷうぷうっ」(こっちだよ、デブ助) ミリッサが背中を向けて距離を取るように走る。「きゃるるっ」(待てこの野郎!) キャルル丸はどっしどっしと追いかけた。だけど足が遅い。これでは攻撃を繰り出す前に、近づくことすらできない。 ミリッサが唱えた。「ぷうっ」(キャロットファスト) ミリッサの頭上にニンジンのマークが灯る。

  • RMTサバイバー~今日の宿代を稼ぐ俺と、人助けで戦う使い魔~   第212話 ぎゃるるぅじゃないよ、もう!

    「おいおい、キャルル丸、太りすぎさ!」 ニキが責めるような口調で相棒の背中を撫でていた。 キャルル丸は弱ったような顔をしてうなだれる。発した声はいつもよりも低い。太りすぎたせいで重低音だった。「ぎゃるるぅ」「ぎゃるるぅじゃないよ、もう!」「ぎゃるぅ」「どうしてあのピンク色の竜のぶんのステーキまで食べたさ?」「ぎゃる、ぎゃるるぅ」「お前、こんな相撲取りみたいな身体つきで、戦えるのかよ?」「ぎゃる!」 キャルル丸は大丈夫だというふうに右手を振る。 ニキは深いため息をついた。(これじゃあ負けちまうさ):キャルル丸は終わりマスタ。:リログしても痩せないですよ。:……早くダイエットしなきゃ。:俺の50万ヴァルを返して。 円形闘技場の入り口前の地面に、グラスオースのメンバーは集まっていた。晴恋だけはいない。晴恋は試合を見張っており、キャルル丸の試合が近くなったら呼びに来てくれる手はずだ。 キャルル丸の初戦は三試合目である。 辺りに一般プレイヤーや乗り物はいない。ファストフードを売るNPCの露店だけがあった。円形闘技場では試合が始まっているようで、お客さんの歓声が響いてきていた。賭け事が熱狂しているようで、罵声まで飛んでいる。それを聞いて、ニキはイライラしたように眉間にしわを寄せた。 キャルル丸のぼよぼよとした腹を、ニキがわしづかみにする。「何だよこの情けない腹は! こんなに太ったら早く動けないさ。この馬鹿ちん!」「ぎゃるるぅ……」「みんながお前に50万ヴァルを賭けているんだぞ?」「ぎゃるぅ」「もうっ! ずんぐりむっくりになっちゃって!」「ぎゃる……」「おいニキさん、その辺にしておけ」 トウマがニキの肩にやんわりと手を置いた。 ニキが振

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    「きゃるるぅ、きゃるるぅ!」(食ってやる、食ってやるぞ!) 大食い対決だった。 円形闘技場の試合場では、給仕たちが次々とステーキを運んできている。料理の種類はステーキだけのようだ。乗り物たちは競い合っており、ステーキをがぶがぶと食べていた。制限時間は30分。空けた皿の枚数で勝敗は決まる。:頑張れキャルル丸ぅぅ。:いま、11皿を完食です!:キャルル丸がちょっと太ってきたなw これはやばいぞ! 夏の太陽がじりじりと地面を照らしていた。観客たちは大変な盛り上がりであり、乗り物たちに向けて声援が飛んでいる。 キャルル丸は11皿目のステーキを食べ終えると、ぐらりと立ちくらみがした。右に身体が傾いて、慌てて足を踏ん張る。下腹がぽよぽよと膨らんできていた。 げぷっとゲップを一つこぼす。(ふん、まだまだ食えるぞ) 給仕が台車を押して12皿目のステーキを運んで来る。ステーキは脂がぎらぎらとしており、あっさりとした酸味のあるソースがかかっている。キャルル丸はかじりついた。がぶがぶと食べる。噛めば噛むほどに甘い肉汁がじゅわっと染み出る。極上に美味いステーキだったが、食べ過ぎたせいで美味いとはもう感じなかった。それでも勢いよくステーキを平らげる。口から肉汁が垂れて、地面に脂がぼとぼととしたたった。 観客席からはウミの声が一段と高く響く。「キャルル丸ー、いま一位ですよー!」「キャルル丸、もっともっと食べる!」 アイギスも両手を硬く握って応援している。 12皿目を食べ終えて、キャルル丸は口をべろりとなめ回した。「きゃるる!」(そうか、いま一位か!) ならば余裕だと思った。 キャルル丸の給仕が台車を押して、円形闘技場の入り口へと向かった。次のステーキが運ばれて来るまで、しばしの休憩である。 その時だった。 キャルル丸の隣にピンク色の竜がどしどしと歩いてくる。 振り向くと、エリザが弱ったような表情で立っていた。その後ろではエリザの給仕が台車を押してお

  • RMTサバイバー~今日の宿代を稼ぐ俺と、人助けで戦う使い魔~   第210話 大食い対決

     ――乗り物コロシアムクエスト、入賞する 王都の東のはずれにある円形闘技場に来ていた。 高い段差の上にある観客席は、プレイヤーやNPCのお客さんたちで賑わっている。入り口にはファストフードを売る露店が出ており、観客たちがフライドポテトやチキンなどを頬張っていた。乗り物コロシアム開催委員は他にも料理を作っているようで、いま豪快に肉が焼かれていた。それが何のための料理なのかは、今のところキャルル丸には分からなかった。 キャルル丸の主人たちは観客席の前列の一角を陣取っており、興奮したような様子で紙コップのジュースを飲んでいた。 試合場には乗り物たちが集まっている。にわとり、ウサギ、ブタ、牛、馬、狼、大蛇、様々いる。どれも立派な体格をしている。これから予備選が始まるようだ。キャルル丸は顔をキョロキョロとさせて、エリザの姿を探していた。ふと、左斜め前方にピンク色の竜の姿を認める。エリザだ。思わず頬が熱くなった。(エリザよ。美しきピンク色の竜よ) キャルル丸は独白しつつ、淡いため息をつく。 一目見た時から、彼女のことがたまらなく気に入っていた。試合前に、少し話すことはできないだろうか? お近づきになって、その顔をべろりべろりと舐めてあげたい。:乗り物コロシアムが始まりますねw:今回の予備選の内容はなんだろうな?:キャルル丸ぅぅ、応援してるぜぇぇ! キャルル丸はエリザの方へ歩き出した。だが、黒馬が身体を割り込ませて立ちはだかる。 テレサだ。 キャルル丸はつぶらなグリーンの瞳でテレサを睨みつけた。「きゃるる」(貴様、我に何用だ? そこをどけ)「ぶるるっ」(キャルル丸、また会ったな)「きゃ、きゃるるっ!」(お前のデカい鼻は醜いから、二度と見たく無かったな)「ぶるるぅ」(キャルル丸よ。お前の白い顔を拝む度に、貧血で死にそうに見えるから心配になるぞ)「きゃるるる!」(我の肌の色を愚弄するか! 許さんぞ)「ぶるー」(貧血のキャルル丸よ。今度こそ勝つのは俺だ)「きゃるるぅ

  • RMTサバイバー~今日の宿代を稼ぐ俺と、人助けで戦う使い魔~   第209話 白竜の実力

    「キャルル丸、手加減は要らないわ。本気で来なさい」 ベルフラウはダガーを両手に構えており、キャルル丸を睨みつけている。「きゃるる、きゃる!」 キャルル丸の瞳が鋭く引き締まる。 午前七時過ぎ。 王都アランクルスの道具屋前の大通りで、ベルフラウとキャルル丸は対峙していた。 乗り物コロシアム前の特訓である。 少し前に、キャルル丸のレベルは30に上がったようだった。乗り物コロシアムで勝てるようにウミが協力をしたのだとか。おかげで超越スキル、エボリューションを習得している。だけど、どこで誰が見ているかも分からないこの場所で、エボリューションを使ってはいけなかった。キャルル丸の切り札である。 道の脇には仲間たちが並んでいて、これから始まる決闘を注視している。 ステータス画面を操作してベルフラウが決闘を申し込んだ。「きゃるっ」 キャルル丸が承認を押す。 ドンと音がした。 ――決闘始め ベルフラウが右手を掲げる。「メイクアップ」 小さな手鏡が生まれて虹色の光りを放った。アジリティが上昇する。「きゃるるるぅ!」 キャルル丸がおたけびを上げて走り出した。その両手両足にはスカーレットクローが装着されている。ベルフラウに向けて真っ直ぐに突進してくる。一見隙だらけだ。:キャルル丸は猪突猛進ですw:こんな隙だらけな攻撃いいの?:行けキャルル丸、そこだ!(あのねぇ、キャルル丸) ベルフラウは呆れたように吐息した。キャルル丸は無防備すぎである。(もっと相手の出方をうかがわないと) ウミが両手を口に当てて応援している。「キャルル丸、頑張るですよー!」「キャルル丸、負けない」 アイギスも力強くつぶやいた。 主人のニキが固唾を飲んで見つめている。 晴恋は両手のひらを握り合わせていた。 キャルル丸がどたどたと近づ

  • RMTサバイバー~今日の宿代を稼ぐ俺と、人助けで戦う使い魔~   第7話 効率も意義も通じない

     草原の中心に、黒い渦を巻いてテラーウルフが出現する。残忍な顔つき、漆黒の体毛、巨大な白い牙。その圧倒的な存在感に、トウマの背筋から冷や汗が伝った。 テラーウルフが高々と吠える。 「ガアルルルゥゥッ!」  ドンと音がして空中に文字が表示された。 ――クエスト、テラーウルフの撃破 「ボスだ、逃げろ!」「俺は死ぬ訳に行かないんだー!」「私はせっかくレベル3に上がったんだからね!」  ウミがすぐに反応した。その表情は恐怖に彩られており、モフモフとした尻尾がピンと立っている。勢いよくこちらを振り向いた。 「ご主人様、どうすれば!?」「ウミ、動くな」  トウマは状況を冷静に分析する

  • RMTサバイバー~今日の宿代を稼ぐ俺と、人助けで戦う使い魔~   第6話 助けたのに

     村の北出口から外へと出る。 草原地帯があった。ところどころには岩がある。そこにいる魔物はフェアウルフの一種類。灰色の毛並みをした狼であり鋭い牙を誇っている。大型犬ほどのサイズだ。 狩りをしているプレイヤー数は多く、必死の形相でモンスターと戦っていた。 「俺の、俺の宿代をー!」「私はまだ朝食も食べていないんだからね!」「や、やべえやべえ、こいつら強えぞ!」  トウマは顔をしかめた。このゲームのプレイヤーはみんな無職なのだろうか? 分からない。(そう言えば、俺も朝食を食っていない) ドンと音がして、頭上に文字が表示された。  ――クエスト、フェアウルフの撃破  隣にいるウミ

  • RMTサバイバー~今日の宿代を稼ぐ俺と、人助けで戦う使い魔~   第5話 梅おにぎり

     村の広場。 トウマたちは木製のベンチに並んで腰掛けていた。 ゲーム内は昼間であり太陽が出ている。近くにある桜の木が花々を満開に咲き誇らせていた。そよ風が吹いて、花びらがチラチラと地面を舞う。木枝が揺れる音がした。 大きめの梅おにぎりを、ウミが両手で持ってむしゃむしゃと食べている。モフモフと尻尾を振っており、ご機嫌のようだ。満面の笑みを浮かべている。 「美味しいですぅ、美味しいですぅ」「そりゃあ良かった」「ご主人様、ありがとうございます」「味わって食えよ」  梅おにぎり、200ヴァル。 道具屋で買ってきたものだった。手痛い出費である。 トウマは広場の光景を眺めた。中心には噴

  • RMTサバイバー~今日の宿代を稼ぐ俺と、人助けで戦う使い魔~   第4話 ヴァルの村

     ゴーレムを倒し終えると、ノーファンの村へと二人は転移した。 辺りには木造りの民家が立ち並んでいる。遠くを見ると森や山があった。地面は土。その道路で、トウマとウミは隣り合って佇んでいた。 「普通の村だな」「そのようですね」「とりあえず、狩り場に行くついでに、村を見て回ってみるか」「はぁい!」  二人で並んで歩き出す。 すぐに他プレイヤーの姿があった。 横切っていく通行人。その顔色は明らかに沈んでいた。他にも座り込んでいる女性がいた。壁にもたれかかっている男。空を見上げている魔法使いふう。誰もが死んだ魚のような目をしている。 異変に気づいたウミが声をひそめてつぶやく。不安に揺れ

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